7000PV/月達成記念、そして転落記念。

基本的にはプログラミングなどを中心とする記事を投稿するブログであるが、たまには最近の出来事についての所感などをつらつらと書き連ねるのもよかろうかと。

ボーナスタイムが終わってしまった、そんな喪失感に苛まれている。
先月、このブログは7000PV/月を達成した。このブログの訪問者数は緩やかな増加傾向にはあったが、2022年6月以前は1500PV/月前後でしかなかった。ネットの辺境に佇む掘っ立て小屋のようなブログであった。しかし、7月は大幅に更新して2500PV/月程度、8月はそこからさらに3倍近い増加と、なかなかの伸び率を叩き出した。著名な技術系ブログ運営者にとっては木っ端のような数字かも知れないが、私にとっては頬の緩む記録と言えた。

何があったのかといえば、Slackフリープランのメッセージ保存期間変更である。従来、Slackは直近10000件のメッセージが閲覧可能で、低速なワークスペースであれば全メッセージを閲覧できていた。しかし2022年7月19日、この上限が2022年9月1日以降は直近90日以内に変更されるという寝耳に水の知らせが来たのだ。流れの速さに関係なく、90日が経過した時点で削除されるのである。この変更はフリープランのユーザーにとってはなかなかの大事件で、Twitter上でも大いに話題になった。テレワークが本格化してSlackにとっては追い風となっていたにも関わらず、シェアはTeamsに奪われ、そしてこのプラン変更である。どうやら大規模な移民を生み出してしまったようだ。これがSlackにとって良い結果となるのかどうか、私には分からない。
その話題の中で、私がGitHubで公開していたSlackLogViewerがにわかに注目を集めた。削除されてしまった過去ログをまるごと全部閲覧できるという、今回の事件を解決する手段たりうるツールだったのだ。2020年9月に公開され、1年10ヶ月で星たった12個しか獲得できなかったクソ雑魚OSSのそれは、Twitterでしばしば話題になったことで一気に星60個を超えた。

まあ、うん、正直、心が踊った。私はこのブログ以外で自作ソフトウェアの宣伝などをするつもりはなかったので、GitHubで星が少ないのも当然のことだったのだが、今回のSlack制限変更によって一時的に需要が増大し、Twitter上で紹介し広めていってくれる人が数多く出現した。私が直接関与しなくてもユーザーが勝手に拡散してくれる様を眺めているのは爽快だった。
しかし、それっきりだった。Slack90日制限の開始直前である8月31日にアクセス数のピークを迎え、その後は急激に落ち込んでいる。多くの人は8月中に対処法を見つけ、途端に興味を失ったのだろう。今はおそらく、Slackの仕様変更などを正しく把握しておらず、いざ9月1日を迎えメッセージが一気に削除されてしまったことに気づいて焦ったお間抜けたちがちらほらと来訪しているのではないかと思う。もう間もなく、アクセス数は以前の水準に戻りそうである。一つの大台と言える星100個に到達するかどうかは怪しい。

私は如何せん慎ましく奥ゆかしい、もとい、チキンでネガティブな日本人なので、自分のソフトウェアを他人に押し付けたいとは思わない。しかし、これを欲している層にうまく届かないことには、広まることなど望めないのである。すなわち、宣伝力の有無である。需要そのものがそれなりにあることはslack-export-viewerが証明しているが、私のソフトウェアはあちらより幾分か優れていると思っているけれども、彼らに知らしめることがまず出来ない。現在SlackLogViewerに星をつけてくれた人たちは、ほとんどが本ブログから誘導された日本人である。GitHubは、単に公開しておけば誰かが見つけ出してくれるような親切な場所ではないのだと、そんな当たり前のことを思い知ることとなった。

GitHubの星は単なる自己満足であって目的ではない。私はプログラマーではないので、GitHubの星獲得数は何のアピールにもならない。そもそもあの星はTwitter等のいいねというよりはブックマークとして用意されているものらしく、評価値そのものではない。しかし目に見える数字として出てしまうものを気にしないのも無理な話で、ちょっと海外勢へアピールする手段を考え始めている。ちょうどslackdumpの開発者のrusq様からコンタクトがあり、今後のSlackのエクスポート補助ツールについて議論しないかと誘われたところである。あちらがどの程度本気で考えているのかは私には知る由もないけれども、slackdumpとの連携については私も色々と考えていたところではあるので、このあたりを足がかりにしてみるのは悪くなさそうだ。とりあえず、何とか星100個を達成したい。

さて、C++関連記事を投稿できないまま1年以上が過ぎてしまったが、まだ今後半年ほどはSlackLogViewerのメンテナンス以上のプログラミングをしている時間はないので、まだ暫くは更新停止、ないし小さな記事程度になるだろう。ああ、そろそろ大規模な開発をしたい。論文の校正には飽きた。